あの、ふわふわの小さなフクロウが全力で走っている画像——みなさんも一度はタイムラインで見かけたんじゃないでしょうか。
「エッホエッホ ○○しなきゃ エッホエッホ」
私も最初に見たとき、思わずスマホを持つ手が止まりました。「なにこれ、めちゃくちゃかわいい…」と。気づいたら自分でも大喜利に参加したくなって、何を書こうか本気で悩んでいたのを覚えています。あの短い足で一生懸命走る姿、見るたびにちょっと元気をもらえるんですよね。
でもふと思ったんです。あのフクロウの写真、一体誰がどこで撮ったんだろう? そもそもフクロウって飛ぶ鳥なのに、なんで走ってるの? そして「エッホエッホ」っていう言葉自体、よく考えたら不思議な響きだけど、どこから来たんだろう?——調べてみたら、これがまた奥が深かったんです。
撮影したのはオランダの写真家で、しかもあの写真が撮られたのは2021年のこと。そこから約4年の時を経て、2025年の日本で新語・流行語大賞トップ10に入るほどの社会現象になるなんて、ご本人も驚いたそうです。
この記事では、あの「エッホエッホ」ミームの語源や元ネタの真相から、主役であるメンフクロウの意外な生態、そして企業まで巻き込んだ爆発的な拡散の裏側まで、まるっと深掘りしていきます。読み終わったら、次にあの画像を見たとき、ちょっと違った目で楽しめるはずですよ。

「エッホエッホ」とは、2025年2月頃からX(旧Twitter)を中心に爆発的に広まったインターネットミームで、メンフクロウの雛が地面を懸命に走る姿を擬音化したフレーズです。このミームの語源は、日本語において古くから物を運ぶときの掛け声として使われてきた「えっほえっほ」というオノマトペにあり、元ネタとなったのはオランダの写真家ハニー・ヘーレが2021年に撮影したメンフクロウの雛の写真です。2025年の日本において最も話題を集めたインターネットミームの一つとなり、企業アカウントから公的機関まで巻き込んだ社会現象へと発展しました。この記事では、エッホエッホミームの語源と由来、元ネタとなったフクロウの写真の詳細、メンフクロウの生態、そしてミームとしての拡散の経緯と社会的影響について詳しく解説します。
エッホエッホとは何かを徹底解説
エッホエッホは、メンフクロウのヒナが芝生の上を走っている写真に「エッホエッホ 〇〇をしなきゃ エッホエッホ」という文言を添えた形式で拡散されたインターネットミームです。このフレーズは「急いで何かをしなきゃ」という焦りやユーモアを表現する際に使われており、緊急性は低いけれど、わざわざ走り回って伝えに行くというシュールな状況設定が特徴となっています。
フレーズ自体には特定の意味が固定されておらず、走る音や掛け声を表現する擬音として親しまれています。この意味の柔軟性こそが、誰でも気軽に真似できる親しみやすさを生み出し、大喜利のような盛り上がりを見せる要因となりました。2025年2月24日にXユーザー「うお座」が「エッホエッホ ママに夜ご飯いらないって伝えないと」とキャプションを添えて投稿したことをきっかけに、ミームとしての爆発的な拡散が始まったのです。
エッホエッホの語源と言葉の由来
「えっほえっほ」というオノマトペ自体は、日本語において古くから存在する擬音語です。三省堂が発表した「今年の新語2025」において、「えっほえっほ」が3位にランクインしました。選評の中では、本ミームによって「昔からある掛け声が注目を集めた」とされ、従来は物を運ぶときの掛け声として使われてきたものの、現在では一生懸命走る場合にも使われるようになったと説明されています。
このミームが流行する以前から、元となった写真がインターネット上で話題になるたびに「えっほえっほ」という感想が複数投稿されていたことが確認されています。フクロウの雛が一生懸命走る姿を見て「エッホエッホ」という擬音を連想することは、日本語話者にとって自然な発想だったといえるでしょう。つまり、このミームは日本語に元々存在していた擬音語と、可愛らしいフクロウの写真が出会うことで生まれた、言語文化的にも興味深い現象なのです。
元ネタとなった写真を撮影したハニー・ヘーレについて
ミームの元となったメンフクロウのヒナの画像は、オランダの写真家ハニー・ヘーレ(Hannie Heere)が撮影したものです。ヘーレ氏は自然・野生動物を専門とする写真家で、この写真は2021年5月28日にオランダ・北ブラバント州で撮影されました。
撮影に使用された機材は、Canon製カメラ「EOS 5D Mark IV」とCanon製レンズ「EF 70-200mm f/2.8L IS III」です。ヘーレ氏はヒナから約5〜6メートルの距離から撮影を行いました。撮影時、ヒナは母親のフクロウとエサのネズミが待っている方向に向かって走っていたといいます。

写真の特徴と国際的な反響
この写真に写っているメンフクロウのヒナは、まだ飛行を練習している段階の幼鳥です。ふわふわとした綿羽に覆われた姿は愛らしく、地面を懸命に走る様子がまるで人間が腕を振って全力疾走しているように見えることが、多くの人々の心を掴みました。
弁護士ドットコムのインタビューに対し、ヘーレ氏は「この写真がすでに世界中に広まっていることは知っていましたが、現在日本でこれほど人気があるとは驚きでした」と回答しています。また「私としてはとても嬉しいこと」とコメントし、この写真について「フクロウの一生の中のほんの短い瞬間をとらえた特別な写真」と語りました。2025年12月11日には「ネット流行語100」2025年間大賞の表彰式で「エッホエッホ」がネット新語賞を受賞し、受賞者としてハニー・ヘーレの名が挙げられ、表彰式では日本に向けたメッセージ動画が流されました。
2021年から2025年までの軌跡
この写真は2021年10月にはすでにウェブ上に存在していました。しかし、日本で大きなミームとなったのは2025年2月のことです。2025年2月23日、比較文学研究者の津田雅之がXにこの写真を投稿し、「地面を走るメンフクロウのヒナ」とコメントしたことで注目が集まりました。その後、Xユーザー「うお座」が「エッホエッホ ママに夜ご飯いらないって伝えないと」とキャプションを添えて再投稿したことで、ミームとしての爆発的な拡散が始まったのです。
メンフクロウの生態と特徴
エッホエッホミームの主役となったメンフクロウについて、その生態を詳しく見ていきましょう。
メンフクロウの基本情報
メンフクロウ(Barn Owl)は、フクロウ目メンフクロウ科メンフクロウ属に分類される中型のフクロウです。体長は約35〜40センチメートルで、南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、東南アジア、太平洋の島々、オーストラリアなど世界中に広範囲に生息しています。ただし、日本には自然分布していないため、日本人にとっては動物園やフクロウカフェでしか見ることができない珍しい鳥です。
英名の「Barn Owl(納屋フクロウ)」は、納屋や教会など人をあまり恐れることなく身近な場所に多く巣を作ることに由来しています。乾樹洞や窪地の穴、建物にある穴やすきまなどに巣を作る習性があり、ヨーロッパでは人間の生活圏に身近な存在として親しまれてきました。
お面のような顔の秘密
メンフクロウの見た目の大きな特徴は、名前の由来にもなった白いお面を付けているような顔です。メンフクロウをはじめとする一部の種はハート形の顔を持っており、このお面のような顔は「顔盤(がんばん)」と呼ばれています。顔盤はパラボラアンテナのように集音の働きをすることで、夜の狩りなどで大いに活躍します。体色は淡い茶色や白色が一般的で、長い翼と短く角ばった尾を持っているのが特徴です。
驚異的な聴覚と視覚能力
メンフクロウは非常に鋭敏な聴覚を持っており、それを使って捕食対象を音によって特定します。特筆すべきは、メンフクロウなど一部のフクロウは左右の耳の穴の大きさも位置も異なるという点です。この特異な非対称な耳により、音源の垂直方向での位置、つまり飛んでいるときにまっすぐ前方から聞こえる音の位置を特定できるのです。
また、他の鳥類と違って目が顔の正面についているため、横や斜め後ろを見る時には顔を動かす必要があります。そのため、首を左右に270度回転させることができるという驚くべき能力を持っています。この特徴的な首の動きも、フクロウの魅力の一つとして知られています。
夜行性の狩人としての生態
メンフクロウは種族の大半が夜行性ですが、イギリスや太平洋の島々では日中に狩りをする個体もいます。地上動物の狩猟に特化しており、ほぼ全ての食餌がげっ歯類などの小型哺乳類からなります。
繁殖に関しては、通常、番いの片方が死ぬまで一生添い遂げるという習性があり、パートナーが死んだ場合には新たな番いの絆を作ることもあります。繁殖は地域に応じて様々な時期に行われ、樹木の空洞、古い建物、崖の裂け目にある巣の中に平均約4個の卵を産みます。メスは全ての抱卵を行い、メスと若雛は食事をオスに依存するという役割分担があります。
独特な鳴き声
メンフクロウの鳴き声は、一般的によく知られている「ホーホー」という鳴き声ではなく、「キーキー」のような金切り声と呼ばれる不気味な鳴き声を発します。特に英国とインドではこの鳥のつんざくような鳴き声から「screech owl(金切り声のフクロウ)」とも呼ばれています。
寿命と人間との関係
野生のメンフクロウの平均寿命は約4年とされています。一方、飼育されているメンフクロウの平均寿命は約15〜20年と、野生の個体よりもかなり長生きします。
農作物を荒らすネズミなどを捕らえてくれることから、ヨーロッパでは古くから大切にされてきました。現在でも、農薬などを使わない自然にやさしいネズミ駆除として、メンフクロウのための巣箱を設置している農家が多い地域もあります。
なぜフクロウの雛は走るのか
エッホエッホミームで話題となった「走るフクロウ」の姿は、実はフクロウの成長過程における貴重な瞬間を捉えたものです。
フクロウは幼鳥の頃は綿羽に覆われておりふわふわとしています。巣立つ頃には、まだ翼の形成が不十分でうまく飛ぶことができません。これは風切羽が生えていないためです。そのため、自分の力で狩りをできず、親に食べさせてもらう必要があります。
生まれた直後のフクロウは飛ぶことができず、移動には歩くか走るしかありません。大人になると羽で飛ぶことができるようになるため、ほとんど歩かなくなります。つまり、エッホエッホのミームで話題となった走るフクロウの姿は、まさに撮影者のヘーレ氏が語ったように「フクロウの一生の中のほんの短い瞬間」を捉えたものなのです。
フクロウの足の驚くべき特徴
フクロウの脚は実は長く、体の半分以上を占めています。飛行中からの狩りをうまく行うために、長い脚を折り曲げているのは猛禽類ならではの特徴です。普段は羽毛に隠れて見えませんが、エッホエッホの写真では走っている姿勢のため、その長い脚がよく見えています。
また、フクロウは「可変対趾足(かへんたいしそく)」という特殊な足を持っています。獲物を掴むときは「対趾足」、木に止まっているときは「三前趾足」に切り替えることができるという、非常に優れた適応能力を持っているのです。
エッホエッホミームのSNSでの爆発的拡散
2025年2月24日にXユーザー「うお座」が投稿したことをきっかけに、「エッホエッホ」ミームは爆発的に拡散しました。ユーザーが次々と独自の文脈を加えた投稿を行い、大喜利のような盛り上がりを見せたのです。
このミームの特徴として、「緊急性は低いけれど、わざわざ走り回って伝えに行く」というシュールな状況設定があります。この絶妙なユーモアが、多くのユーザーの大喜利魂に火をつけました。約58億インプレッション以上を記録したと推計されており、2025年のインターネット上で最も拡散したコンテンツの一つとなりました。
企業アカウントの異例の速さでの参入
2月下旬、X(Twitter)で盛り上がりを見せたこのミームでは、大手企業の公式アカウントなどが異例の速さで流行に便乗したことが話題を呼びました。ネット文化に詳しい識者は「一般ユーザーが遊びだしてから、企業や公的機関が参戦するまでのタイムラグは、従来あまり見られなかった短さ」だったと分析しています。
参加した企業やアカウントの例としては、大阪・関西万博、シルバニアファミリー、ほっかほっか亭、ポケモン情報局、ゼンリン、ソニー・ピクチャーズなどがあります。これほど多くの公式アカウントが短期間でミームに参加したことは、インターネットミームの歴史においても珍しい現象でした。
企業が参入しやすかった理由の分析
大手企業などが「異例の速度」でミームに参加した背景には、いくつかの要因があります。
まず、ミームにすぐさま乗っかれる「手軽さ」が挙げられます。商品画像を芝生と合成すれば、すぐに作成できる点は、SNS担当者の工数もかからず好都合でした。
また、構文の特徴も重要な要因でした。「『○○しなきゃ』といった自発的な言い回しが、あまり押しつけがましくないことも、企業にとっては使い勝手が良い」とされ、言葉のニュアンスが企業広報にマッチしていたのです。宣伝色を抑えながらも自社の商品やサービスをアピールできるという、絶妙なバランスがこのミームにはありました。
エッホエッホの歌とその広がり
エッホエッホミームは、楽曲としても大きな話題を呼びました。ミュージシャン・TikTokerのうじたまいが、2025年3月1日に自身のTikTokチャンネルなどにて「エッホエッホのうた」を公開したのです。これはメンフクロウミームの二次創作楽曲として制作されました。
「エッホエッホ」と歌いながらちょっとした雑学を披露する楽曲で、キャッチーな曲調とうじたがメンフクロウ風の衣装で登場するシュールな映像が話題となりました。TikTokをはじめショート動画のBGMとして爆発的に広まり、TikTokでは「エッホエッホのうた」は207.9K(約20万)件以上の動画で使用されています。
うじたまいは、TikTokを中心に音楽活動をおこなっているマルチクリエイターです。2025年3月現在26歳の女性で、作曲や作詞、振り付け、イラストなど多岐に渡った活動をおこなっています。彼女は「エッホエッホフクロウが好きすぎて歌を作りました」とコメントしており、純粋なファン心理から生まれた楽曲であることがわかります。
CMへの展開
エッホエッホの歌は、テレビCMにも採用されました。明星食品のインスタントラーメン「明星 チャルメラ」のCM「伝えなきゃ篇」が2025年9月7日から放送されました。チャルメラおじさんを演じる岡崎体育が、うじたまい作曲の「エッホエッホの歌」に合わせて商品の魅力を伝える内容となっており、インターネットミームがマスメディアのCMに採用されるという、現代のメディアミックスを象徴する事例となりました。
エッホエッホの受賞歴と社会的評価
エッホエッホミームは、2025年を代表する言葉として数々の賞を受賞しました。
新語・流行語大賞でトップ10入り
2025年第42回「『現代用語の基礎知識』選 T&D保険グループ新語・流行語大賞」のノミネート語が2025年11月5日に発表され、「エッホエッホ」が30語の中に選出されました。12月1日に発表された結果では、「エッホエッホ」はトップ10にランクインしました。
同年のトップ10に選ばれた全10語は、エッホエッホ、オールドメディア、緊急銃猟/クマ被害、国宝(観た)、古古古米、戦後80年/昭和100年、トランプ関税、二季、働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相、ミャクミャクでした。インターネットミームがこのような権威ある賞にランクインすることは、ネット文化が社会全体に浸透していることの証といえるでしょう。
三省堂「今年の新語2025」で3位
三省堂が発表した「今年の新語2025」において、「えっほえっほ」が3位にランクインしました。辞書出版社である三省堂が選ぶこの賞は、言葉としての新しさや定着度を重視しており、古くからある擬音語が新しい文脈で使われるようになったことが評価されました。
様々な世代での人気
2025年12月の調査では、「エッホエッホ」が新語・流行語印象ランキングで全ての年代でトップとなりました。2025年6月2日、LINEヤフーが女子高生268人に今年流行りそうだと思う言葉を聞いた結果をランキングで発表し、「エッホエッホ」が1位にランクインしています。
さらに、2025年12月3日、ベネッセコーポレーションの「進研ゼミ 小学講座」が発表した「小学生総決算ランキング2025」の流行語ランキングでも「エッホエッホ」が1位にランクインしました。女子高生から小学生まで、幅広い世代に浸透したことがわかります。
ネット流行語100での受賞
2025年12月11日、「ネット流行語100」2025年間大賞の表彰式で「エッホエッホ」がネット新語賞を受賞し、総合10位にもランクインしました。受賞者はハニー・ヘーレとなり、表彰式では日本に向けたメッセージ動画が流されました。オランダの写真家が撮影した一枚の写真が、日本のネット文化において最も重要な言葉の一つを生み出したことを象徴する瞬間でした。
インターネットミームとしてのエッホエッホの位置づけ
エッホエッホミームを理解するためには、インターネットミームの歴史と仕組みについて知っておくことが重要です。
インターネットミームとは
インターネット・ミーム(Internet meme)とは、インターネットを通じて人から人へ広がってゆく文化・行動のことです。一般的に、ジョーク、噂話、動画、ウェブサイト等のウェブ上のコンテンツが伝播していく現象を説明する際に用いられます。
元々「ミーム」とは、文化の中で人から人へと広がっていく行動やアイデアのことで、進化生物学者のリチャード・ドーキンスによって名付けられた概念です。ドーキンス氏は世界的ベストセラーとなった著書『利己的な遺伝子』の中で、ギリシャ語を語源とする「mimeme」という造語を使ったことが始まりです。
日本におけるインターネットミームの歴史
2000年代初期、SNSが一般的でない時代では、ネットミームが誕生する場は日本最大級の電子掲示板である「2ちゃんねる」でした。テレビのワイドショーなどを実況するスレが立てられ、盛り上がりを見せた事柄が専門スレとなって乱立し、2ちゃんねる民による「お祭り騒ぎ」によってFlashアニメーションやファンサイトが作られるという流れが生まれました。
2010年代は、ニコニコ動画からYouTubeへとユーザーが移行しだし、SNSの普及と共にネットミームが誕生する場所は2ちゃんねるからニコニコ動画、そしてTwitterへと移行しました。2020年代はTikTokやInstagram発のショート動画ミームが主流化し、海外ミームが即座に日本に逆輸入される状況となっています。
SNS拡散の仕組み
ネットミームが爆発的に拡散する背景にはSNSや掲示板、動画プラットフォームの存在が欠かせません。X(旧Twitter)やTikTok、ニコニコ動画といったプラットフォームで、共感を呼ぶフレーズや面白いネタ画像がシェアされ始めると、一気に数万人・数百万人規模にリーチします。
インターネット上で増大したミームの伝播の要因としてはそのインタラクティヴ性があります。出版物やラジオ、テレビが基本的には受動的な経験であるのに比べて、インターネット社会では現象の拡散をより手軽に行えます。現象の多くは検索エンジン、インターネット・フォーラム、ソーシャルネットワーキングサービス、ソーシャルニュースサイト、動画共有サービスを通じて拡大するのです。
日本の動物ミームの歴史の中でのエッホエッホ
エッホエッホミームは、日本における動物ミームの長い歴史の中に位置づけることができます。
ギコ猫からの系譜
2000年前後、電子掲示板「2ちゃんねる」で流行したのが「ギコ猫」です。ギコ猫は、文字を羅列してイラストのように見せるアスキーアートの一種で、「ゴルァ」「逝ってよし」などのセリフを吐いているものが有名でした。これが日本における動物ミームの先駆けといえます。
2013〜14年頃には「宇宙猫」が流行しました。宇宙の画像を背景にし、目を丸くした猫の画像の組み合わせは、誰しも一度は目にしたことがあるでしょう。2018年頃には「仕事猫」が流行し、ヘルメットをかぶり「ヨシ!」というセリフを発しているイラストがミーム化しました。問題がありそうなシチュエーションに向かって「ヨシ!」と指差し確認をするという使われ方から、不安な状況を「現場猫案件」と呼ぶこともあります。
猫ミームからエッホエッホへ
2023年12月頃からは「チュピチュピチャパチャパ」の歌に合わせて首を振る猫の動画に注目が集まり、「猫ミーム」というムーブメントが誕生しました。その勢いは年を跨いで2024年前半あたりまで継続し、SNS流行語大賞2024では「猫ミーム」が大賞に輝きました。
エッホエッホミームは、この猫ミームに続く形で2025年の動物ミームの主役となりました。猫から鳥へと主役は変わりましたが、動物関連コンテンツの人気が継続していることを示しています。
エッホエッホミームが流行した理由の分析
エッホエッホミームがこれほど大きな社会現象となった理由について、いくつかの観点から分析してみましょう。
参加のしやすさ
エッホエッホミームが流行した大きな理由の一つは、参加のしやすさです。静止画大喜利には動画や画像の編集が必要なく、画像を流用してセンスのあるセリフを言わせるだけでバズれるという手軽さがあります。「誰もが手軽にミームブームに乗る事ができる」といった”参加できる”楽しみがあるからこそ、これほど広まったと考えられます。
普遍的な可愛らしさ
ふわふわとした羽毛に覆われたメンフクロウの雛が一生懸命走る姿は、誰が見ても「かわいい」と感じる普遍的な魅力があります。この写真の持つ圧倒的なビジュアルの力が、ミームの拡散を後押ししました。可愛らしさは言語や文化の壁を超えて伝わるため、多くの人々の共感を得ることができたのです。
絶妙な構文のユーモア
「エッホエッホ 〇〇しなきゃ エッホエッホ」という構文は、緊急性は低いけれど、わざわざ走り回って伝えに行くというシュールな状況設定が特徴です。この絶妙なユーモアが、多くのユーザーの創作意欲を刺激しました。日常の些細なことを大げさに表現することで生まれるおかしみが、このミームの核心にあります。
ビジュアル重視の時代への適合
スマートフォンのカメラ性能の向上とInstagramやTikTokのようなビジュアル特化SNSの進化により、ネットミームの主流は「テキスト」ベースから「ビジュアル(画像・動画)」ベースへと完全に移行しました。エッホエッホミームは、まさにこのビジュアル重視の時代に適合したミームでした。一目で内容が理解でき、瞬時に共感を呼ぶビジュアルの力が、拡散を加速させたのです。
2025年のSNSトレンドとエッホエッホ
2025年上半期のXでは、「画像と一言を組み合わせたシンプルな投稿フォーマット『画像ミーム』」が多くの共感を集め拡散されました。65dB TOKYOは、「発信するより、共感したい・されたい」という気持ちを起点とした新たな行動様式がSNS上で定着しつつあると分析しています。
上半期のトレンドでは「エッホエッホ」や「情けない写真の募集」「育児ママあるある祭り」など、1枚画像を使った大喜利的なミーム投稿が度々トレンドとなっていました。エッホエッホと同時期に話題となったミームとして、「情けない写真ください」があります。一般ユーザーが「すみません、犬の情けない写真欲しいです」と投稿し大きな反響を呼び、人間や料理などあらゆる界隈に派生しミーム化し、関連投稿は1.8万件以上に達しました。
2025年の下半期では、画像1枚への乗っかりから進化して、Xの機能を活かした「うまくヘッダーに収まらない」、画像に文字を加えた「おさわりマップ」など、1枚の画像に”ちょい足し”をした投稿・ミームの広まりが見えてきました。ミームの形式も常に進化を続けているのです。
メンフクロウの飼育と日本のフクロウカフェ
エッホエッホミームの流行を機に、メンフクロウへの関心が高まった方も多いでしょう。日本では近年、フクロウと触れ合えるフクロウカフェが人気を集めています。
メンフクロウは、その愛らしい外見から世界中でペットとして人気があります。寿命は飼育下で10〜15年、全長は29〜44センチメートル、体重は250〜600グラムです。「ハート型のお顔・黒目・ゆらゆらした首の動き」が特徴で、初心者の方でも比較的飼育しやすいフクロウとされています。
フクロウの値段の相場は20〜40万円ですが、メンフクロウは比較的値段が安く、10万円前後で購入できます。ただし、スーパーホワイト(アルビノメンフクロウ)は希少であるため、値段が50万円ほどになります。フクロウは生肉を主食とするため、ヒヨコ・マウス・ウズラなどをエサとして与える必要があり、ペットとしての飼育には相応の覚悟と知識が求められます。
エッホエッホミームが示すインターネット文化の進化
「エッホエッホ」ミームは、一枚の写真から始まった2025年最大のインターネット現象の一つです。オランダの写真家ハニー・ヘーレが撮影したメンフクロウの雛の写真は、「フクロウの一生の中のほんの短い瞬間」を捉えた特別な一枚でした。
この写真に日本のSNSユーザーが「エッホエッホ」という擬音を添えたことで、誰もが参加できる大喜利コンテンツとして爆発的に拡散しました。企業アカウントから公的機関まで巻き込んだ社会現象となり、新語・流行語大賞トップ10入り、小学生の流行語1位など、幅広い世代に浸透したのです。
「エッホエッホ」というオノマトペ自体は日本語において古くから存在するものですが、このミームをきっかけに新たな文脈で使われるようになりました。これは、インターネットミームが既存の言葉に新しい意味を付与し、言語の進化に貢献する例として興味深い現象です。
メンフクロウという、日本には生息していない鳥の雛の姿が、日本のSNSでこれほど愛されたことは、インターネットが国境を越えて文化を共有するプラットフォームとなっていることの証左でもあります。「エッホエッホ」ミームは、2025年のインターネット文化を象徴する現象として、長く記憶されることでしょう。









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